東京高等裁判所 昭和26年(う)3691号 判決
原審が適法に証拠調をした副検事の片井辰己第二回供述調書を検察官から提出させるに当り、検察官の請求により原本に代えてその謄本を提出することを許可するについて、被告人及び弁護人の意見を徴した形跡がないことは所論の通りである。しかし裁判所が右の許可をするについて被告人及び弁護人の意見を聞くことは法律上の要件ではない。原審が原本に代えその謄本を提出することを許可して、これを受理するに当つてはその謄本としての謄写の正確性を調査することは当然の義務であるから、公判調書にその旨の記載がなくても謄写の正確性を調査して受理したものと認めるのが相当である。而して謄写の正確性を調査したことは公判調書に記載すべき事項ではない。故に原審の訴訟手続に所論のような違法はない。